タイワンアツモリソウ未熟種子由来カルスからの植物体再生
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概要
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観賞価値が高く,乱獲により絶滅が危慎されているラン科アツモリソウ属の,組織培養による増殖と育種の為の基礎的知見を得る目的で,タイワンアツモリソウ未熟種子由来カルスからの植物体再生を試みた.未熟種子からのカルス誘導は、培地複合有機添加物の種類によって差が認められ,T培地に酵母抽出物を200mg/l添加した区で高かった.播種16週目に得られた,O.3〜O.8mmサイズのカルスを継代培養した結果,酵母抽出物200mg/l添加区より得た5系統の黄白色のカルス以外は,継代8週目(播種後24週目)までに全て枯死した。生存していたカルス5系統を更に継代培養により維持,増殖し,継代培養60週目にカルスを分割し,T培地にオーキシンとBAPを組み合わせ添加した区で植物体再生を試みた。NAA10^<-5>M単独,あるいはBAP1O^<-6>Mとの組み合わせ添加区で,供試5系統のうち3系統のカルスより植物体再生が認められた。再生植物体はホルモンフリーのT培地に移植,育苗の後,体上げし,春化処理をおこなった。鉢上げした28個体のうち15個体が萌芽し,活着した。
- 1997-09-01
著者
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冨田 正徳
弘前大農学生命科学部
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冨田 正徳
弘前大学農学部
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Tomita Masanori
Faculty Of Agriculture Hirosaki University
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冨田 三奈
弘前大学農学部
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