ギニアグラス有性生殖個体における胚嚢形態からみた有性生殖の程度
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概要
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単為生殖(無胞子生殖で偽受精)種の暖地型牧草ギニアグラスで後代検定法により探索された有性生殖個体とその後代個体について,SAVIDAN(1975)の方法により胚珠に一含まれる胚嚢の数・形態を調査し,有性生殖の程度を求めた。開花直後の小花(各個体20小花以上)を採取,固定し,乳酸・砲水クロラール・フェノーノレ・オイゲノール。キシレン混合液(重量比2:2:2:2:1)に24時間浸漬した後,小花から雌蕊を摘出,カバーグラスで封じて内部の胚珠の状態を検鏡した。 有性生殖の胚嚢は8核性,無胞子生殖の胚嚢は4核生で,両者は,反足細胞の有無,極核の数,形成される.位置などから容易に類別された。多胚嚢を持つ胚珠が数多く観察された。ギニアグラスでは,双子植物はほとんど見出されないため,複数の胚嚢のうち強勢たものが胚または幼植物になると考え,その胚嚢の形態から胚珠の生殖様式を決定した。また胚嚢が全く形成されない胚珠や未熟の胚嚢をもつ不稔の胚珠が観察された。 胚嚢の形態による有性生殖の程度は,不稔胚珠を除いた観察胚珠中で,有性生殖を示す胚珠の占める割合として表わした。
- 日本育種学会の論文
- 1983-03-01
著者
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