ナスの接木変異 : I.接木当代および接穂に由来する後代の胚軸色変異
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概要
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接木変異の存在を明らかにする目的で,ナス2品種を用い,実生および果実のメントール接木実験を行った。その結果,接木当代および接穂に由来する自殖後代に胚軸色の変異が認められた。その変異の内容は.dd(緑色胚軸)からDd(紫色胚軸)およびDD(濃紫色胚軸)からDdへの変異が大部分であった。しかし,ddからDDとDdへの同時変異(G_1S_2SH/SK(S)-7)やDDからddへの変異(G_2S_2SK/SH(S)-4-22)も認められた。また交雑のF_2に対応する接木後代(分離世代)ではF_2と同様,紫〜濃紫色胚軸:緑色胚軸:3:1の分離比に適合する系統だけではなく,それに適合したい系統も存在した。なお,現在まで調査を行った胚軸色の変異率は1.44%(93/6469)と高かった。以上の結果は,これまでにナスで得られた接木変異と一致しているだけでなく,高等植物のDNA処理後代に認められている変異の内容とも類似していた。
- 日本育種学会の論文
- 1979-12-01
著者
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