ナスの接木変異 : II.接木当代および接木後代の果色ならびに果形変異
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概要
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前報で報告したナス2品種問の接木当代および接穂に由来する自殖後代における胚軸色に続いて,栗色および果形の変異について調査を行った。その結果,栗色および果形の変異が実生接木と果実同士の接木のいずれの方法によっても得られた。また接木組合せも真黒ナスおよび白ナスのいずれが穂木(台木)の場合にも接木当代ないしは接木後代で変異が出現した。それらのうち栗色変異に関してはddGG(白色果皮一白色果肉)ないしはDDGG(濃紫色果皮一緑色果肉)からDdGg(紫色果皮一緑色果肉)への変異が大部分であったが,同時に二種類以上の変異の出現する場合も認められた。特に,G_2S_2SH/SK(F)-2-2では劣性ホモddGGよりF_2と同様のD-G-(紫〜濃紫色果皮一緑色果肉),D-gg(紫〜濃紫色果皮一白色果肉),ddG一(緑色果皮一緑色果肉)およびddggへの分離が認められた。果形に関する接木後代の変異も交雑と同様な遺伝様式を示す場合だけでたく,それと異なる場合も存在した。本研究で得られた接木変異の内容はPetuniaやArabidopsisにおいてDNA処理後代に認められた変異の内容と類似する点が多く,接木変異のメカニズムとして形質転換の可能性が推察される。
- 日本育種学会の論文
- 1980-03-01
著者
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