戻し交雑法による有用遺伝子の導入に関する研究 : I.イネのindica品種のいもち病抵抗性遺伝子導入上の問題点
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概要
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戻し交雑法によりイネのindica品種のもついもち病抵抗性遺伝子を日本の品種に導入する際に問題となった点を指摘し,その育種的対策を検討した。1)導入しようとする低抗性遺伝子が不利な形質の発現に関与する遺伝子と連鎖していることがある。この場合,育種の規模を拡大したり,自殖世代で低抗性に関して分離している系統を意識的に選ぶなどして,不利な連鎖を破り希望する組換えを高める育種操作が必要である。2)アジアのいろいろな地域から集めた品種が同じ抵抗性遺伝子を含むことが少なくないので,育種の初期に遺伝子の同定を行ない,同じ遺伝子を重複して導入するのを避けるのが望ましい。3)一回親として利用する品種が2つ以上の低抗性遺伝子を含む場合でも,特定の遺伝子だけが取り込まれることがある。
- 日本育種学会の論文
- 1974-02-28
著者
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