離着陸時の航空機観測による風に含まれている誤差の評価

概要

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本研究では, 小松空港で航空機により計測されている離着陸時の風のデータに含まれている誤差について, 輪島における高層観測, 及び小松空港に設置したドップラーソーダーを用いて調査した. その結果, 大気下層において離陸時に計測された風速はドップラーソーダーにより計測された10分間平均値の風速よりも大幅に小さく, その差は大きい場合が多い. これに対して着陸時において大気下層で計測された風とドップラーソーダーによる風の風速差は, 風速によらず比較的に一定であり, 4ms^<-1>以下であった. その結果, 風速が小さい場合は風向差が大きい場合もあるが, 風速が6ms^<-1>以上の場合は風向差は小さく15度以下となった. この着陸時における風の差は航空機観測による瞬時値とドップラーソーダー観測による平均値の差である可能性が大きく, 風速が6ms^<-1>以上で安定している場合は, 着陸時の航空機により計測されている風を用いて大気下層における気象現象を解析できる可能性を示した.
社団法人日本気象学会の論文
1999-07-31