周期性を考慮した年降水量時系列の非定常な確率水文量の算定
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
年降水量の母集団分布と仮定した正規分布の平均・分散のパラメータ時系列を周期成分と傾向成分(回帰直線)で記述して, 非定常な確率水文量の算定を試みた. 今まで提案されてきた非定常頻度分析手法は, パラメータ時系列を直線回帰するのみであったが, この方法ではその時系列に存在する周期性を対象時系列の記述に考慮しているため, より正確なパラメータ時系列の推定ができ, その結果として, より適切な非定常確率水文量の推定ができるようになった. また, 従来の頻度分析手法には年降水量時系列に定常性の仮定が置かれているため, 1つの確率水文量しか得られなかったが, この方法では年降水量の変化に伴って, 確率水文量が経年的に変化する様子を示すことができた. この研究で新しく分ったことは, この方法を長野の年降水量に適用した結果, パラメータ時系列が周期成分と傾向成分で十分良く説明でき, 合理的な確率水文量が求まったということである.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1996-03-31
著者
-
寒川 典昭
信州大学工学部
-
寒川 典昭
信州大学工学部社会開発工学科
-
小牧 健二
水質源開発公団丹生ダム建設所
-
永江 正一
名工建設(株)名工・熊谷・山旺建設工事J.V.
-
小牧 健二
水資源開発公団 試験研
関連論文
- 南海地震対策の現状と課題 : 防災は総力戦
- まとめに代えて(水害にどう立ち向かうのか-脱ダムの是非を問う-)
- はじめに(水害にどう立ち向かうのか-脱ダムの是非を問う-)
- 内陸地震とその発生予測に向けて
- 千曲川水系の変遷に伴う流出形態の変化に関する研究
- 任意関数の期待値を情報とした多変数最大エントロピ-分布とそれを用いた千曲川合流地点の頻度分析
- 情報量の増分と上限確率を付与した確率水分量について
- 情報関数が最大エントロピー分布に及ぼす影響の解析
- 月降水量に適した情報の与え方と2変数最大エントロピー分布
- 水文量頻度分析へのC-ヒストグラムの導入について
- c-ヒストグラムを用いた極値水文量の頻度分析
- 水文データのもつ情報量の評価
- 多変数最大エントロピ-分布とその基礎特性に関する研究
- 確率分布の推定母数の不確定性評価法
- 長野県旬降水量の空間的分布特性と未観測降水量の推定について
- 水文事象の頻度分析へのMEP導入について
- 獲得情報星最大仮説にもとづく長期流出モデル : 構成および厳密解の実流域への適用
- 種々の水文量への1変数MEP分布の適用性
- 水文観測システムにおける情報損失
- 千曲川流域における環境変化と流出率の関係
- 2変数最大エントロピー分布の適用性
- ランダム性の経年変化を考慮した確率降水量の非定常頻度解析
- 日本列島20世紀の降水量時系列の経年的非定常性とその確率降水量の評価値に及ぼす影響
- 和歌山の平均気温の経年変化と降水量への影響
- 年降水量に対応する確率分布の種類の経年変化
- 気象原因別に分類した月・季節・年降水量の経年変化の検討
- 長野地方の開発と月・季節・年平均気温の経年変化
- ロジスチック曲線を用いた年最大1・2・3日降水量の非定
- 等質化した年最大1・2・3日降水量の非定常頻度分析
- 1・5・10・20年単位の長野県における年降水量の時系列特性
- 千曲川歴史洪水の頻度分析への導入と考察
- 周期性を考慮した年降水量時系列の非定常な確率水文量の算定