イネの葉いもち病圃場抵抗性の遺伝分析
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概要
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イネの葉いもち病圃場抵抗性の遺伝的解析を行う目的で,いもち病抵抗性の強いIR系統ならびに陸稲派生系統と日本水稲の雑種後代の分析を行った。さらにIR系統,陸稲,陸稲派生系統,日本水稲など7品種・系統を用いてF_1およびF_2ダイアレル分析を行った。雑種後代系統の圃場抵抗性は両親の問にほぼ正規分布に近い分離を示した。両親の差とそれぞれの分散の大きさからみて,葉いもち病圃場抵抗性は相加的効果を主とするポリジーンまたは複数遺伝子あるいはその両者により支配されていると推測された。また分離系統群の割合から推定した最心有効因子数は二つの組合せでそれぞれ7および11であった。ダイアレル分析の結果からは,葉いもち病圃場抵抗性に関与する遺伝子の相加的効果が大きいが,抵抗性強の方向への部分優性効果も認められた。しかしエピスタシス効果は認められなかった。遺伝率の推定値は,後代系統および両親の分散から推定した広義の遺伝率(0,915および0,862),世代間相関係数(0.742および0,792),ダイアレル分析から推定した広義,狭義の遺伝率(それぞれ0,929〜0,959,0.914〜0,923)のいずれも高い値であった。
- 日本育種学会の論文
- 1978-12-01
著者
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