陸稲品種戦捷の葉いもち圃場抵抗性遺伝子の属する連鎖群の同定
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概要
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陸稲品種戦捷の葉いもち圃場抵抗性遺伝子の属する連鎖群を同定するため,12の標識遺伝子系統と戦捷を交雑し,F_3 系統について葉いもち圃場抵抗性を検定すると共に,標識遺伝子の有無・分離を調べた.葉いもち圃場抵抗性と標識遺伝子座の連鎖が認められたのは,第II連鎖群(d-2,lg,Ph)をはじめ,III(lax),IV(d-6),VIII(la,sp),X(bl-1),XI(bc-1,d-14)の6連鎖群であった.一方,連鎖関係が認められなかったのはI(wx,fs-1,Cl,Ur-1),VI+Ix(gh-1,st-2,ri,nl-1,gl-1),VII・V(Dn-1,I-Bf),xII(Hg)の連鎖群であった.標識遺伝子座付近の連鎖ブロックの抵抗性効果からみて,戦捷の抵抗件の大部分は連鎖関係の認められた6連鎖群のうち,第III連鎖群を除く5連鎖群で説明できる.そして標識遺伝子座付近の連鎖ブロックの抵抗性に関し,相加効果がとくに大きいのは第II連鎖群のlg,Ph座,第XI連鎖群のbl-1,第XI連鎖群のd-14座である。ただし第III連鎖群のlax座付近の連鎖ブロックでは戦捷のもたない抵抗性遺伝子を標識遺伝子系統H-453がもっと推測され,他はすべて戦捷側に抵抗性遺信子(または遺伝子群)があるとみられた.また抵抗性遺伝子(群)は総じて優性効果がないか,抵抗性が部分優性とみられた.
- 1985-12-01
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