菜類の胚発生の組織化学的観察
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概要
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1)菜類の数品種を用いて,胚発生時の組織化学的変化を観察した。組織化学的には核酸反応(Brachet reaction)と多糖類(Periodic Acid Schiff reaction)について行なった。 2)その結果,実験に用いたすべての品種で次に述べるようた核酸反応と多糖類の反応が認められた。 3)胚珠部分の核酸反応は開花後4目目から弱くなるが,幼胚の着生している部分では強い反応が認められた(末受粉の個体でもこの現象が認められた)。 4) どの品種でも幼胚は受精当初は強い核酸反応を示す細胞質で囲まれているが,胚が発育するにつれて細胞質はみられなくなる。頂端細胞分裂期以後は胚柄部分の核酸反応はやや弱まるが,胚球部分には強い反応が認められ,成胚まで強い反応が認められた。 5)多糖類の反応は核酸反応とは逆で,核酸反応の強いところでは糖反応は弱く,核酸反応の弱いところでは糖反応は強かった。 6)幼胚は2細胞に分裂したときから糖顆粒が細胞内にみられ,頂端細胞分裂期以降は胚球部分には微小粒がみられるが,胚柄には大粒の糖顆粒が観察された。
- 日本育種学会の論文
- 1975-02-28
著者
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