ダイズ1子実粒重の確率分布における変異
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概要
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ダイズの1粒重の分布を指数分布と正規分布との混合分布であると考えて解析を行なった。すなわち,ある品種の1粒重xの確率密度は[numerical formula]であると仮定した。この模型に基づき,打切り標本からのパラメーターの推定法(COHEN1950)を応用した手順(Fig,1)によって分布のパラメーターを推定Lた。いずれの品種,F_1においても推定されたパラメーターの値を用いて理論頻度を計算すると,それは対応する観測粒重分布によく適合していることが認められた。つまり品種,F_1によるパラメーターの相違はあるようにみえるが,いずれも上のf(x),指数分布と正規分布との混合分布,に適合することが認められた。それ故最尤推定値が漸近的に正規分布に従うことからパラメーターの信頼区間を求めることにより,品種問の比較を行なった。パラメーターλ,μ,σのいずれにも品種間差が認められた。また,μとσとの大きさの関係では,大きなμをもつ品種は大きなσをもつ傾向が認められたが逆に大きなμをもちながら小さたσをもつ品種も認められた。このように品種は特有な粒重分布をもつといえるが,さらにその特徴はどのようにして実現されるかを,個体ごとの粒重分布を比較することによって検討した。個体の粒重分布の様相は,いずれの個体においてもほぼ同様であり,品種の粒重分布の特徴は個体内における粒重分布に表われていることが認められた。さらに,個体の精粗部分の分布のパラメーターの組(μ,σ)と個体の性質を表わす形質の組(子実粒重,総節数,一節炎数,一葉粒数)との問には有意た正準相関が認められたことから,品種内における個体の粒重分布の様相は,個体の全体的な性質と強く関係していると推察された
- 日本育種学会の論文
- 1980-09-01
著者
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