胚培養によるツバキ品種蝶千鳥と金花茶との種間雑種の作出
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概要
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現在の園芸ツバキに欠けている黄色花品種を育種するため,ツバキ品種蝶千鳥に金花茶を交配した.交配種子は胚乳の発達が不良で普通より早くに胚乳の崩壊・吸収が進行するため,雑種胚の周囲に中空部分が生じ,遂には子葉の発達が座止し,死に至るものと考えられた.球状胚以前の段階では胚培養による雑種作出には成功しなかったが,胚乳が崩壊する直前に交雑胚を摘出して培養Lたところ,目的の雑種植物を得ることに成功した.本植物体の染色体数は両親のそれと一致し,体細胞で30であった.本植物体の外部形態上の特長としてあげられるうち,1.芽出しが茶色い,2.葉身が細長いうえ細かな鋸歯を葉縁全体につけている.3.葉脈の分岐角度が中肋に対して平均59.1度と大きい,4.根が赤く着色する,などの諸点は,花粉親の金花茶の特長を強く受継いでいる.
- 日本育種学会の論文
- 1987-06-01
著者
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