ニホンサクラソウ三倍性品種の減数分裂
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概要
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ニホンサクラソウ(P. sieboldi)三倍性品種(2n=36)、「目白台」、「白鷲」、及び「駅路の鈴」の減数分裂を観察した。ニホンサクラソウの二倍体においては、常に12IIが観察された。供試した「目白台」、「白鷲」における三価染色体の平均出現数は、それぞれ10.8および10.6であり、同質三倍性であることを強く暗示している。AIにおいて、25%から57%の細胞に一本ないし数本の遅滞染色体が認められるにもかかわらず、小核を形成することはまれであり、両極への移動は正常に行なわれているものと思われる。AIにおける、両極への染色体の分離は、17:19の場合が最も高頻度(約30%)であり、16:20の分離が次に多かった。三倍性品種「目白台」および「白鷲」の人工培地上での花粉発芽率は、それぞれ63.9%および42.6%であり、これまで報告された他の植物における三倍体の花粉稔性に比べて、非常に高い稔性を有していると言えよう。従って、これら三倍性品種を利用して、異数体を作出し、園芸品種群内の変異の幅を広げると共に、各種の形質の遺伝様式を明らかにすることも可能であろう。前報に引き続き、確認された園芸品種の染色体数は、次の通りである。二倍性品種(2n=24)、旭鶴・美女の舞・殿上人・芙蓉・玉光梅・勇獅子・木枯・松の位・大須磨・秀美 三倍性品種(2n=36)、笹の波・白鷲
- 1973-12-31
著者
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