細胞融合による Nicotiana debneyi の細胞質の N.tabacum への移行
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概要
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細胞質提供種のプロトプラストにX線を照射したあと,核提供種と細胞融合を行う方法を効率的な雄性不稔性系統の作成法として検討した. 細胞質提供種のN.debneyiから葉肉プロトプラストを単離した直後に,5,10および15kRのX線を照射した.10kR以上の線最では細胞塊の形成は完全に阻害されたので(Table1),10kRをN.debneyiの核機能の不活化に要する線量とした. 10kRのX線を照射したN.debneyiのプロトプラストと無照射のN.tabacum cv. Consolation 402のプロトプラストとをポリエチレングリコールを用いて融合させ,出現したコロニーを無選抜でランダムに再分化条件に移した.大部分の再生植物はConsolation402と同様の葉色,形態を示したが,その中の数個体は雄性不稔性を有した.このようにして得られた雄性不稔性個体は花の形態に関する変異を示しており,それらは大きく4タイプに分類できた(Table2,Fig.1)。この中で,タイプNは正帝なタバコの花と同様の形態を示すが,開花後も繭の裂開は認められたかった・また,タイプCは戻し交配によりN.debneyiの細胞質をタバコに導入した時に得られる雄性不稔性個体と同様の花の形態を示し,花粉粒を有したかった.タイプAおよびBはNとCの中問の形質を示した.再生個体中の雄一性不稔性個体の出現頻度は318個体中30個体であった(Table3).たお,雄性不稔性個体の体細胞染色体数はすべて正常なタバコと同様に2n=48であった.
- 日本育種学会の論文
- 1986-03-01
著者
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