CCSR/NIES大気大循環モデルによる1998年の中国における洪水期のアンサンブル事後数値実験
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概要
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1998年に中国で起こった豪雨を研究するために、大気大循環モデルによる一連の事後数値実験を行なった。モデルの境界条件は、1998年の月別海面水温で決めた。30個のメンバーで構成されたアンサンブル数値積分の各々の大気初期条件には、1998年の4月1日から4月30日までの00UTCに対する日々の再解析値を当てた。積雪量、土壌の温度と水分の初期条件には、モデルの気候値を指定した。30個の事後実験結果のアンサンブル平均をとると、1998年夏に起きた雨量の正偏差が、北向き5度の位置のずれで、捉えられた。また、夏季の等圧面高度偏差についても、観測されたパターンが定性的に再現された。4月の大気の初期偏差は、1998年夏季のユーラシアと北太平洋上の計算された流れのパターン及び中国における雨量偏差に明らかに寄与したと考えられることが分かった。しかしながら、全体的な結果は、1998年の中国の豪雨には熱帯の海面水温偏差が重要な役割を演じたことを示唆する。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 2000-08-25
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