山を越える流れの初期値化 : 線形の場合
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概要
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Raschが提案したpseudo-secant methodを用いて、浅水方程式に於ける山を越える流れの初期値化を行った。その結果その方法では、散逸が弱いときには、超臨界流の場合でも、流れの前後に対して対称な解を与えることがわかった。上流から山に向かって重力波が入射している状態で、物理的にはあり得ない解であることがわかる。線形論を用いて解析的に解いてみると、Raschのスキームでは波数空間の積分で主値を取ったことになるので、物理的に正しい解を得るためには、重力波の放射条件を考慮する必要があることが示される。そのための新しい方法を提案する。その方法は、1.Raschのスキームで使用される有効振動数から、小さな正虚数を差し引く。2.有効振動数の小さなモードの寄与を無視せず、正しく考慮する。それによって、山を越える流れが正しく再現されることが示された。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1998-10-25
著者
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