力学的延長予報に対する成層圏の鉛直解像度の影響
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概要
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数値予報モデルの成層圏の鉛直解像度を上げた効果を調べるために、コントロールモデルと高解像度モデルを用いて、北半球の冬における14例の初期条件から30日予報実験を行った。成層圏の鉛直解像度を上げることによって成層圏の予報が向上し、特に気候学的なアリューシャン高気圧がよくシミュレートされた。しかし、高解像度モデルの極夜ジェットの東風バイアスのため、帯状平均東西風は全体としてよくならなかった。日々の500hPa高度の予報のスキルには明確な改善が見られなかったが、10日平均500hPa高度の予報は約15日目以降に改善した。特に、西太平洋パターンや東太平洋パターンなどの、太平洋側の低周波変動モードの予報が改善した。対流圏の系統的誤差はあまり変わらなかった。対流圏の東西波数1成分の予報は、成層圏の同じ波数成分の予報が向上するにもかかわらず改善しなかった。15日目以降の対流圏の波数2成分の予報誤差の減少に1〜2日ほど遅れて、成層圏の同じ波数成分の誤差が減少した。これらの結果は、成層圏の予報の対流圏の予報に対する影響は、成層圏と対流圏の間の局所的な相互作用によって生じることを示唆している。また、対流圏の低周波変動の予測のためには、成層圏の鉛直解像度の高いモデルを用いる必要があることを示している。
- 1994-12-25
著者
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