水平分解能の高いSKYHI大循環モデルに現れる熱帯重力波とスーパークラスター
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概要
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水平分解能の高い(0.6゜経度×0.72゜緯度、及び1.0゜×1.2゜) 40層のGFDL SKYHI大循環モデルに現れる熱帯重力波とスーパークラスターを低分解能 (3.0゜×3.6゜) モデル実験による結果と比較した。これらのモデルでは、熱帯重力波は降水に伴う熱によって励起されているように思われる。降水はモデルの水平分解能が高い方が、時空間的に局所化され、波数-振動数のスペクトル分布の巾が広くなる。格子間隔規模の降水は、クラウドクラスターに伴う降水に疑似的に対応すると考えられ、更に大規模のスーパークラスターに編成される。クラウドクラスターの西進とスーパークラスターの東進はモデルの水平分解能が高い方がより明瞭に見られる。高分解能 (0.6゜×0.72゜) モデルでは、下部成層圏重力波の運動量フラックスは1日以下の周期成分が主要であることが示される。分解能が (3.0゜×3.6゜) から (0.6゜×0.72゜) に上がると、この運動量フラックスは倍増する。水平および鉛直分解能が両方ともさらに増加すれば、重力波による運動量フラックス収束が実質的に増え、従って準2年振動が強まることが推測される。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1997-12-25
著者
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