Terazosinの抗原性試験に関する研究
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概要
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抗高血圧薬terazosinの抗原性の有無について, モルモットおよびマウスを用いて検討した. 本試験においてはterazosin, terazosinと蛋白との混合物およびterazosinと蛋白との共有結合物を免疫原あるいは誘発原として用いることにより, 薬物を生体内に投与したときに薬物が免疫原性および免疫反応性を示すかどうかを検討し以下の結果を得た. 1. terazosinおよびterazosin : BSA混合物を免疫補助剤であるFCAとともにモルモットを頻回免疫しても, PCA反応およびPHA反応によりterazosinに対する特異的なIgGクラスの抗体は検出されなかった. 同様に, こられの免疫抗原をAlumとともに免疫したC3H/He, BALB/cマウスにおいてもterazosinに対するIgE抗体はみられなかった. さらに, terazosinおよびterazosin : BSA混合物により免疫されたモルモットに対して惹起抗原としてterazosin, terazosin : OVA混合物およびterazosin-OVA結合物を用いて能動性全身アナフィラキシー反応およびSchultz-Dale反応を誘発したが, いずれの反応も陰性であった. 以上の結果より, terazosinおよびterazosin : BSA混合物が生体内に投与されてもterazosinが免疫原性を獲得することはないものと推察される. 2. terazosin-BSA結合物をFCAとともにモルモットを, またterazosin-OVA結合物をAlumとともにC3H/He, BALB/cマウスをそれぞれ免疫した. その結果, モルモットの血清に対して惹起抗原としてterazosin-OVAあるいはマウスの血清に対してterazosi-BSA結合物を用いるとPCA反応は陽性を示したものの, terazosin単独あるいはterazosinと蛋白との混合物を用いた際には同反応は陰性であった. また, 感作されたモルモットに抗原としてterazosin単独あるいはterazosin : OVA混合物を静脈内注射しても能動性全身アナフィラキシー反応はみられず, また感作モルモットの回腸標本に前述の抗原を加えてもSchultz-Dale反応はみられなかった. これらの結果から, terazosinが誘発原性を発現することはないと推察される. 以上の結果から, 本実験条件下ではterazosinは担体蛋白と共有結合するとハプテンとして機能を示すものの, terazosin自身は生体内において免疫原性および免疫反応性のいずれをも示さなかった.
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1987-02-28
著者
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高橋 和雄
三菱油化薬品(株)研究所:(現)三菱化成工業(株)筑波医薬研究所
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長谷川 隆司
株式会社野村生物料学研究所
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長谷川 隆司
野村生物科学研究所
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高橋 和雄
三菱化成工業
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高橋 和雄
三菱化成工業株式会社総合研究所筑波医薬研究所
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