タルチレリン水和物の生殖毒性試験 (第3報) : ウサギを用いた経口投与による胎児の器官形成期投与試験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
脊髄小脳変性症の治療薬として開発されたタルチレリン水和物の 0.15, 15 および 15mg/kgをウサギの胎児器官形成期に相当する妊娠6日から18日までの13日間, 連日経口投与し, 母動物ならびに次世代の発生に及ほす影響を検討した。すなわち, リン酸ニナトリウム, クエン酸および塩化ナトリウムを含有する水溶液を媒体とした投与液を, 妊娠6日の体重1kg当り5mlの投与液量で経口投与した。なお, 対照群のウサギには媒体のみを同様の方法で投与した。すべての母動物は妊娠29日に剖検し, 子宮を切開して胎児を摘出した。摘出した胎児は外表, 内臓および骨格検査を行った。母動物に及ぼす影響 母動物には被験物質投与による死亡はみられず, 摂餌量にも影響は認められなかったが, 15mg/kg群に体重増加量の一過性の減少が認められた。また, 同群において, 呼吸促進のような中枢興奮様の症状が明らかに認められた。生殖機能にはいずれの群でも被験物質投与による影響を認めなかった。胎児に及ぼす影響 胎児には, 披験物質投与による致死作用, 催奇形作用および発育抑制作用を認めなかった。以上の結果から, 本試験条件下における無毒性量は, 母動物に対する一般毒性学的影響に関しては1.5mg/kg, 次世代の発生に関してはそれぞれ15mg/kgであると考えられた。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 1997-11-13
著者
-
西田 敦之
田辺製薬株式会社 安全性研究所
-
浅野 裕三
田辺製薬株式会社 安全性研究所
-
今戸 奈保子
田辺製薬株式会社安全性研究所
-
新比惠 啓志
田辺製薬株式会社・安全性研究所
-
浅野 裕三
田辺製薬株式会社・安全性研究所
-
今戸 奈保子
田辺製薬株式会社 安全性研究所
関連論文
- P113 ラットの小核誘発頻度の生涯における変化と妊娠が及ぼす影響
- Betotastine besilateのラットおよびウサギを用いた生殖毒性試験
- タルチレリン水和物の生殖毒性試験 (第4報) : ラットを用いた経口投与による周産期および授乳期投与試験
- タルチレリン水和物の生殖毒性試験 (第2報) : ラットを用いた経口投与による胎児の器官形成期投与試験
- ラットの真性半陰陽の1例
- プロジェステロン誘導マウス単為発生胚の着床前および着床後の発生ならびに二倍体胚との集合キメラによる新生仔の誕生
- マウス単為発生卵に及ぼすサイトカラシンBの影響
- メチルアゾキシメタノ-ル誘発小頭症ラットにおける生後の行動発達--行動奇形学的研究〔英文〕
- 自然発症てんかんラット(SER)およびその親世代変異ラットにおける聴性脳幹反応(ABR)
- タルチレリン水和物の生殖毒性試験 (第3報) : ウサギを用いた経口投与による胎児の器官形成期投与試験
- タルチレリン水和物の生殖毒性試験 (第1報) : ラットを用いた経口投与による妊娠前および妊娠初期投与試験
- Behavioral Effects of Hydroxyurea Exposure during Organogenetic Period of the Sprague-Dawley Rats
- Cyclophosphamide(CP)によるラット胎仔の食道の右方転位について
- Behavioral Effects of Hydroxyurea Exposure during Organogenetic Period of Rats
- Wistar系ラット新生仔に高頻度にみられた自然発生の腰肋について
- 27. 胎生期にhydroxyurea(HU)投与を受けたラットの出生後の行動的検索
- 生薬31種配合製剤ナンパオ【○ ! R 】の抗酸化作用の検討
- Imidapril Hydrochloride (Imidapril)のモルモットにおける光過敏性試験
- ライノ様突然変異マウスの凍結融解精子を用いた体外受精法による形質の再発現
- 老齢雄ラットを用いた生薬31種配合製剤ナンパオ^ の長期反復投与試験
- ラットを用いてのTwo-way Shuttle-box Avoidance Testにおける至適試行量と無条件刺激の強度および系統差の検討
- 自然発症てんかんラットの痙攣発作誘発のための外的刺激に対する感受性〔英文〕
- 自然発症てんかんラットとtremorラットにおける行動発達の遅延と自然発症てんかんラットにおけるオペラント学習能力の遅滞〔英文〕
- Strain Differences of Postnatal Development of Righting Reflex, Traction and Motor-Coordination, and Emotional Behavior in Rats