高専における一般教育の可能性
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概要
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高専における一般教育がどのような位置に置かれているかは周知のことである.高校+短大の一般科目に比べて数百時間も少ない授業時数,5学科5学年制の約千名の学生に対して一般科専任スタッフが20名余りという少ない教官数など,いかに貧弱な教育体制であるかは異論の余地がない.しかし,こうした一般教育の量的な貧弱さと同様,いやそれ以上に問題なのは,高専において一般教育のもつ意義について,これまでほとんどまともに研究もされず,論議もされて来なかったということである.勿論,個別の教科の研究や実践報告は数多くなされてきている.しかし,一般教育をそれとして扱った研究はほとんど無かったといってよい.これには,二重の問題がある.一つは,日本の高等教育において一般教育が辿ってきた運命という側面と,もう一つには高専に特有の問題である.本稿では,一般教育そのものを歴史的・理論的に素描し,そこから高専教育にとっての一般教育の可能性を論じてみたい.また,その一つの試みとして,木更津高専におけるカリキュラム改革について報告したい.あえて挑発的な表現を多く用いたのは,今後の論議の呼び水となることを期待してのことと了解いただきたい.本稿は,平成8年8月に聞かれた日本高専学会第2回総会での報告をもとにしたものであるが,末尾にできるだけ多くの参考文献を挙げたのは,直接それらを参照してもらえるようにとの思いからである.
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