水稲の作況解析 : I. 気象条件と出穂期及び成熟期の関係

概要

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愛知県の主要品種の出穂期は, すでに, 移植期との関係曲線が作成され, 穂肥施用の決定等に利用されているが, 出穂期の年次変動についての検討が不十分との指摘もあった.本試験においても, 出穂期は出穂前30日までの気象条件との相関が小さく, 穂肥の施用決定期までに出穂期を正確に予測することが不可能と思われた.しかし, 最近, 水稲の生育ステージを積算気温や日長時間との関連で定式化し, 幼穂形成始期や出穂期を予測するモデルが開発されてきた.著者らも, 今後同様な手法により県内主要品種の出穂期予測について, でもさらに検討する予定である.成熟期は出穂後15日の平均気温によって高い確率で予測できたが, 出穂前の気象条件とも深い関係が認められているので, やや精度を落とせば出穂後15日以前においても成熟期の推定は可能と思われる.また, 県内主要品種の平均収量や品質と気象の関係についてもすでに報告があるが, さらに, 本試験データについても詳細な検討を加え, 別の機会に報告する予定である.
日本作物学会の論文
1988-07-01