セルリーの生育とハウスの照度について
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概要
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第2次世界大戦後の食糧難の時代を過ぎて米の自給に目度が付いたころから,わが国の食生活もア メリカナイズされてきた。そのために,野菜の栽培も露地栽培のものから施設内で栽培さる野菜の比 率が急速に高まった。それと言うのも,昭和30年代に実用化されたビニールフィルム,エチレンフィ ルムが一次被覆材としてガラスに代わって広範囲に使用され,価格の低廉さや取り扱い易いこと及び 大規模化が容易なことから,施設園芸においても特に野菜温室の大規模化に貢献するところが大であっ た。軟質フィルムに続いて硬質フィルム,硬質板とガラスに代わる一次被覆材が次々に使用されてき た。 本研究は硬質板FRAで被覆した5連棟,南北棟の大型ハウスでセルリーの栽培を行い,古い FRAと新しいFRAの部分のセルリーの総重量と古いFRAの棟内における畝別の重量をそれぞれ 比較したものである。その結果 (1)古いFRAで被覆したセルリーは新しいFRAに比較して,1株重量が1.Okg未満のものの割 合が高く,総重量も顕著に低かった。 (2)さらに,古いFRAで被覆したNo.1棟では,棟の中央部の畝のセルリーが総重量と1.0~1.5 kg未満の大きさの株重のもので東西の両端に近い所よりも多い傾向が認められた。 (3)次に各棟及びそれぞれの棟内の3箇所を照度計で測定した所,新しいFRAの棟が古いFRP の棟よりも高く,同一の棟内では中央部が東西の両端よりも高かった。 (4)以上のようなことから,セルリーは光飽和点が45Kluxぐらいと言われていることから,40 Klux以下の低い照度はセルリーの生育に顕著に影響したと推測され,特に古いFRAの棟において は著しかったと考えられる。 また,連棟のハウスでは同一棟内においても東西の両端では谷部や側壁の影響を受けて照度の低下 が著しいことが明らかとなった。このことから,FRAの耐用年数は7~8年ぐらいが限度と推測さ れる。
- 九州大学の論文
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