ヤチモンツキダニ Trhypochthoniellus setosus Willmann の排糞量
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概要
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福島県谷地平地区のミズゴケ湿原に生息するササラダニ, ヤチモンツキダニTrhypochthoniellus setosus Willmannの飼育下における排糞量について, 温度および餌の種類との関係, 1個体の生涯における総量, 日周変化を測定した。本種は広植食者(panphyto-phages)で, 各ステージの個体とも25℃では1日に19.7∿25.4個の多量の糞を排出した。排糞量はヌマガヤの腐葉を与えたときに最も多く, ミズゴケでは少なかった。また温度の上昇とともに増大するが, 第1若虫期における総排糞量は20∿29℃の範囲で有意差は認められなかった(F-検定, P>0.10)。ステージ別の排糞量は幼虫期0.027mm^3, 第1若虫期0.053mm^3, 第2若虫期0.095mm^3, 第3若虫期0.257mm^3, 成虫期0.720mm^3で, 1個体の生涯における総量は1.152mm^3と算定された。昼夜を通じた排糞行動と, 摂食物の腸内滞留時間が短かい(4時間)ことについて, 食性様式の違い等から考察した。
- 日本ダニ学会の論文
- 1996-05-25
著者
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