尾瀬ヶ原におけるササラダニ相
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概要
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青木(1978)の拾取り法により, 尾瀬ヶ原におけるササラダニ相を植生と土壌水分量との関連で調査した結果, 7植生下36地点から合計175種が得られた.植生別1地点における平均出現種数は林地(38種)>林緑群落(29種)>中間湿原(25種)>低層湿原(17種)>高層湿原ハンモック(16種)>高層湿原ホロー(11種)>水辺高茎草原(9種)となり, 多湿地ほど種類数が少なくシリスボミダニ上科を含む接門類(Macropylina)の割合が高くなる傾向が認められた.湿原内では, 冠水した場所には湛水性のミズモンツキダニHydronothrus crispus, ヒメミズノロダニHydrozetes terrestris, フトミズコソデダニLimnozetes rugosus, 多湿なミズゴケ帯には好湿性のヤチモンツキダニTrhypochthoniellus setosusとホソミズコソデダニLimnozetes ciliatus, やや乾燥した場所には中湿性のツノコソデダニRostrozetes ovulum, さらに乾燥した場所には汎布種のナミツブダニOppiella novaやクワガタダニTectocepheus velatusなど, 土壌水分量に対応した代表種の出現によって特徴的なササラダニ相が区分された.
- 日本ダニ学会の論文
- 1999-05-25
著者
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