水稲栽培条件の許容度に関する研究 : 第 8 報田植機栽培の植付深度の許容度について

概要

論文の詳細を見る
過去における水稲の栽培法の研究は、最適条件を究明するにとどまつている場合が多い。最近のように省力機械化栽培法の確立が要望されている時には、最適条件を中心としてどの程度まで許容できるかということを明らかにする必要がある。このような観点から、著者らは各種の栽培条件について一連の研究を進めてきたが、今回は水稲土付苗用田植機による栽培での苗の植付の深度について、水深との関連のもとに検討を加えた。田植機栽培は昭和40年度から3ヵ年多くの研究がなされ、その結果実用性が認められ、一応の栽培指針ができ、急速な勢で普及しようとしている。しかし多くの問題点が残つていて、その一つとして小苗で田植される点から、その植付られる深さの深浅が普通手植の場合より生育収量への影響が敏感であろうと想定されるので、植付後の水深の多少との関連のもとに植付深度の段階をかえて試験を行なった。田植機械としては植付深度はむしろ手植の場合より浅植(2〜3cm)されるようにつくられているが、田植時の土壤の硬軟や耕盤の不整によつて植付深度の一定性を維持することが困難の場合が多い。
日本作物学会の論文
1969-03-31