小麦収量と土壌養分に及ぼす牛糞と大豆茎葉添加による稲わら堆肥の施用効果

概要

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本研究は稲わらに窒素に富んだ有機物を混用することで良質な堆肥を造成することと, この堆肥施用が小麦収量と土壌養分に及ぼす影響をみるために行われた.この場合, 牛糞と若莢収穫後の大豆茎葉は, 資源の有効利用と土壌生産性の維持につながる稲わら堆肥の効率的な造成をするための窒素源として用いられた.牛糞と大豆茎葉は, 稲わらに対して混合比を乾物重量で10-15%が加えられ, 11の組合せ処理で90日間堆肥化された.その結果, 稲わら70%と30%の窒素源(10%牛糞+20%大豆茎葉)の組合せであるRDS2が比較的大量の稲わら堆肥を造成するにはC/N比が16.7と効率的で, 堆肥中のCaOとMgO含量も増加した.またRDS3あるいはRD2S2すなわち60%稲わらと40%窒素源(10%牛糞+30%大豆茎葉, 20%牛糞+20%大豆茎葉)の組合せがC/N比12.3あるいは12.1まで分解が進行し, 養分含量, 特に50%稲わらと50%窒素源の組合せと比較して有意差は無いものの堆肥中のN, P, Kが増加する傾向にあった.そしてRDS2が試験作物としての小麦の生育にとって最良の堆肥となった.この堆肥を10t/h与えたところRDS2が無施用区に比べて2.07倍の収量増があり, 本方式で十分な地力維持が可能であると思われた.
日本作物学会の論文