北陸地域における良質安定水稲品種の育成上の問題点(寒冷地南部地域における良質水稲品種の栽培と育種上の問題点)
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概要
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北陸地域は稲作を基盤とする農業が営まれ, 古くから良質米の安定生産地としての地位を確保し現在にいたっている。戦前から戦後の昭和24〜25年にかけて農林1号, 銀坊主中生, 銀坊主が基幹品種であった。その後作付品種は複雑化し, 昭和30年の後半から農林22号/農林1号より育成されたホウネンワセ, 越路早生, およびコシヒカリなどの姉妹品種が作付の中心となった。最近はコシヒカリに作付が集中しており, 北陸地域は市場評価の高い銘柄米の生産基地として重要視されている。生産調整が強化される中で, 優良銘柄品種は自主流通米としての付加価値が極めて高く, 昭和58年度の1類産地品種銘柄米の北陸における作付比率は58.2%と高く, 栽培面積は年々増加している。しかし, これらの品種は収量性にとぼしく, 耐倒伏性, いもち耐病性などが不充分であるにもかかわらず不適地まで栽培されるため, これに代わる新品種の育成が強く望まれている。この報告では, 現在最高の食味をもつコシヒカリの改良を目的として, 北陸農試で実施した育種試験を紹介し, 良質安定品種育成上のいくつかの問題を指摘したい。
- 日本作物学会の論文
- 1985-03-31
著者
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