北海道産春まきコムギの品質と製パン性に及ぼす窒素施肥量と収穫時期の影響
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概要
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北海道産春まきコムギ品種「ハルユタカ」を窒素施肥量および収穫時期を変えて栽培し,得られた多様な品質のコムギ粉を用いて,コムギ粉のタンパク質含量と原料となるコムギ子実の収穫時期がコムギ粉品質および製パン性に及ぼす影響について検討した.窒素施肥量と収量および原粒性状の間に一定の傾向は認められなかったが,窒素施肥量が多くなるのに伴いコムギ粉のタンパク質含量は明らかに高くなった.そして,タンパク質含量が高くなるのに伴い最高粘度は低下し,粉色については,L^*が低下し,a^*が上昇した.また,生地特性を示すファリノグラフ特性値については,タンパク質含量が高くなるのに伴いAb, DT, Stabおよびvvが上昇し,Wkが低下した.一方,収穫時期が遅くなることにより最高粘度と鉛色L^*が低下し,a^*が上昇したが,ファリノグラフ特性値については収穫時期による差は認められなかった.製パン試験の結果,タンパク質含量が高くなるのに伴いパン比容積が大きくなったが,収穫時期による差は認められなかつた.これらのことから,最高粘度および粉色は窒素施肥量により変動するタンパク質含量と収穫時期の両方の影響を受けると考えられた.一方,生地特性および製パン性は,降雨による著しい最高粘度の低下がみられない場合,主にタンパク質含量により影響されると考えられた.
- 2004-06-05
著者
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