水稲根に分布する共同窒素固定細菌について

概要

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わが国の水田土壌を用いて水稲根部からの窒素固定細菌の検索を水稲生育時期別に行い、以下の結果が明らかとなった。 1)好気性窒素固定細菌、嫌気性窒素固定細菌ともCC培地のほうがGYE培地よりも高い割合で分離された。 2)好気培養条件下での窒素固定細菌数は、根乾重当り10^6~10^7オーダーであり、全好気性細菌に占める割合は30〜50%であった。また出穂開花期に好気性窒素固定細菌数の増加が見られた。 3)嫌気培養条件下での窒素固定細菌数は、根乾重当り10^5~10^6オーダーであり、全嫌気性細菌数に占める割合は50〜90%であった。また嫌気性窒素固定細菌数は出穂開花期にはほとんど変化しなかった。 4)水稲根から分離された窒素固定細菌は Enterobacter sp., Azosprillum sp., Pseudomonas sp., Xanthobacter sp., Alcaligenes sp., Clostridium sp. であり窒素固定活性の最も高い出穂開花期に Pseudomonas sp. が多の属の細菌よりも優占であった。
1989-02-05