客土造成田の水田土壌化について

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九十九里海成沖積平野の砂質水田へ、第三系シルト質泥岩を客土して造成された造成後1~6作目のほ場において、客土造成田の水田土壌化の過程を解明するため、水稲栽培期の作土の土色とジピリジル反応、土壌の理化学性、水稲の生育と収量、および稲体の窒素吸収量について調査検討した。結果は要約すると以下のとおりであった。1)造成後3作目以上のほ場では作土全層のグライ化が認められ、土色も5GY~5Bのグライ色を呈してた。造成後1作目ほ場では湛水期間中、グライ化はほとんど認められなかった。2)水稲栽培跡地の土壌有機物含量、置換性2価鉄生成量および可給態窒素生成量は造成後の年数経過に伴って増加する傾向がみられ、三者は密接に関連しながら増加していた。3)造成時の重機走行によって形成されたち密な圧密層は造成後の年数経過に伴って解消され、造成後3作目以上のほ場では作土深が約13cm確保されており、千葉県の平均値並となった。4)水稲の収量は造成後3作目で同値域内の既存水田並に回復した。造成後1、2作目の減収は地力窒素の不足とち密な圧密層による根の伸長抑制によるものであった。5)以上のことから、第三系シルト質泥岩によって客土造成された水田は造成後3年目で水田としての機能をもったと考える。
社団法人日本土壌肥料学会の論文
1988-12-05

客土造成田の水田土壌化について

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