水稲倒伏軽減剤入り肥料がコシヒカリの草型と群落構造に及ぼす影響
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概要
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1)SDF-21の施用によって,上位葉の葉面傾斜角度は鋭角になり,上位葉は直立し,群落の深部にまで光が透過する群落構造になった.SDF-21の施用で光合成と物質生産に有利な群落構造に変化していることが示された.SDF-21施用による収量の増加は,主に幼穂形成期(出穂25日前頃)の穂肥による総籾数の増加と倒伏軽減効果による登熟度の維持または向上に起因する.また上位葉の直立化による受光態勢の改善効果は,増加した総籾数を維持するのに十分な登熟の向上を,つまり総籾数の適正限度の向上をもたらす大きな要因になっている.2)短稈化や葉鞘長の短縮化が認められず,無処理区と形態的な差がなかったウニコナゾールPの出穂日施用でも葉身の直立化現象は認められた.また,葉身の直立化はジベレリンで解除された.SDF-21の施用による上位葉の直立化現象は,短稈化や葉鞘の短縮化などの形態に対する直接的な影響というよりも,SDF-21のウニコナゾールPはジベレリンの生合成阻害剤であるのでジベレリン等の植物ホルモンの作用が関与する内生的要因によることが示唆された.
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 1993-12-05
著者
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