土壌粒径画分中の糖,アミノ酸の動態

概要

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都市ゴミコンポスト添加土壌における有機物の分解,再合成および変換に伴う有機成分の動態を検討した.平塚(中粗粒褐色低地土)および筑波(淡色黒ボク土)土壌に対しコンポストを添加し,180日間保温静置後物理分画を行い,各粒径分画の化学性,アミノ酸組成および糖組成について検討した.1)全炭素,全窒素は両土壌とも細粒画分で増加し,とくに全窒素は筑波土壌の細粒画分が高かった.2)全アミノ酸量,全糖量はいずれも細粒画分で高いが,平塚土壌ではccf画分,筑波土壌ではmcf画分が高く,集積画分に土壌間差が認められた.3)土壌本来の腐植形態が添加コンポストの分解,再合成および変成に影響をおよぼすことが示唆された.4)平塚土壌のccf画分,筑波土壌のmcf画分では多糖類の割合が増加した.また,平塚土壌では加水分解抵抗性をもつ炭素化合物の割合が細粒画分で高かった.5)両土壌とも細粒画分ほど微生物起源の単糖類が増加し,この傾向は平塚土壌で顕著であった.6)コンポスト添加は炭素化合物よりむしろ窒素化合物の増加に寄与した.また,有機物が集積する画分は,平塚土壌ではccf画分,筑波土壌はmcf画分であった.
社団法人日本土壌肥料学会の論文
1993-12-05