コシヒカリの施肥法と窒素の玄米生産能率
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概要
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水稲の多収には窒素の玄米生産能率が高いことが必須であるとの考えで,九州の早期作として,コシヒカリを供試し,収量成立過程における乾物生産・養分吸収と窒素の玄米生産能率との関係について3年間の圃場試験の結果から考察した。1)3カ年とも玄米重平均600g/m^2を超す収量が得られたが,窒素の玄米生産能率に年次間の違いがあり,能率の低い年次の水稲は高い年次に比べて穂数が多く,しいな,屑米も多かった。2)窒素の玄米生産能率は穂数およびしいな重と高い負の相関があった。3)有効分げつ期における茎葉中の鉄・マンガン比は窒素の玄米生産能率,一穂籾数と正の相関,穂数,生育後半の窒素の含有率,吸収量と負の相関を示した。4)コシヒカリは穂数よりも一穂籾数に重点をおく栽培法が望ましく,初期成育の促進が窒素の玄米生産能率低下の一因となることを明らかにした。5)窒素の玄米生産能率が水稲の生育初期の鉄やマンガンの吸収と関係することは,土壌条件のほか水稲の苗質や根の生理活性が影響するものと思われる。
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 1991-10-05
著者
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