クワに対する稲わら堆肥連用効果の一解析

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1/2000 a 規模のポットで同一土壌を連用して15年間クワ栽培を続けたところ、堆肥併用区は無機肥料区に比べて収量が高くなり、その差は年々大きくなる傾向が認められた。この原因を追究するために、土壌の理化学性の分析や他作物の栽培試験を行なった。得られた結果は次の通りである。1)クワの収量は試験開始時無機肥料区100に対し稲わら堆肥区は沖積土103,沖積性火山灰土93, 火山灰土125であったが、15年後にはそれぞれ530, 470, 460となった。2)無機肥料連用は稲わら堆肥連用に比べて土壌反応の低下、置換酸度Y_1の増大、石灰、窒素ならびに炭素含量の低下をもたらした。しかし堆肥区に集積した腐植物は未熟であった。3)エチレンの生成量も土壌の種類により程度の差はあるが、稲わら堆肥の連用により増加した。4)クワ栽培跡地土壌による他作物栽培試験によれば、クワと同じ双子葉であるレタスの生育は稲わら堆肥区が無機堆肥区に優ったが、単子葉であるイネとオオムギは、両区間における生育差がほとんど認められなかった。5)以上の結果から、稲わら堆肥の連用は無機肥料の連用によって起こる生育障害を軽減する効果があるが、その作用機構は理化学性の悪化や多量要素の欠乏防止のみではないと判断された。
1991-02-05

クワに対する稲わら堆肥連用効果の一解析

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