湛水土壌カラムにおけるメタノール存在下での硝酸塩の消失とメタノール利用性脱窒菌の消長
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概要
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湛水土壌カラムにメタノールあるいはグルコースなどの炭素源を含む硝酸塩汚水を連続的に供給した結果、流出液中の硝酸塩は、実験開始直後から急減し、10~14日後には検出されなくなった。また、実験開始6カ月後も流出液中に硝酸塩は検出されなかった。除去された硝酸態窒素1mg当たり消費されたCOD量はメタノールでは4.70mg、グルコースでは5.99mgであり、前者のほうが硝酸還元反応において効果的な電子供与体であることが認められた。メタノール添加土壌カラムでは硝酸塩の消失に伴ってメタノール利用性脱窒菌の菌数が増加し、このなかからHyphomicrobium層脱窒菌が分離された。急速に増加したメタノール利用性脱窒菌は実験期間を通じて約10^7/g土壌の菌数を維持した。一方、その他の脱窒菌の菌数は10^4/g土壌を超えなかった。これらの結果、土壌カラム中における硝酸塩の消失は、主としてHyphomicrobium属細菌を含むメタノール利用性脱窒菌の作用によることが示唆された。
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 1988-10-05
著者
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