秋播性コムギの冬期播種栽培における好適窒素施肥法(栽培)
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概要
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岩手県で秋播性コムギを根雪前に播種する冬期播種栽培において, 窒素肥料を播種と同時に基肥として土中に側条施用する方法(以下, 播種時施肥という)と, 根雪期間が終了した融雪期に表面施用する方法(以下, 融雪期施肥という)について, 「ナンブコムギ」を用いて検討した.成熟期の生育量と子実収量は, 播種時施肥が融雪期施肥よりも多い傾向にあった.播種時施肥において, 播種時の窒素施用量を増やすに従い子実収量は多くなり, 特に播種時10g/m^2施用では慣行の秋播栽培と同等以上となった.これは, 播種時施肥では越冬後に出芽した時点で十分な量の肥料が既に溶出しており, 窒素吸収が早まったために初期生育が促進され, 栄養生長量が増加したことが要因と考えられた.播種時施肥における子実の粗タンパク質含有率は11%以上と高く, 播種時の窒素施用量の増加や止葉期の追肥によりさらに高くなった.播種時施肥は, 融雪期施肥に比べ外観品質がやや優り, また多肥にしても慣行の秋播栽培で問題となる倒伏がみられなかった.これらのことから, 冬期播種栽培の窒素施肥法は, 全量を基肥として側条施用する播種時施肥が適し, その量は収量性と品質を考慮すると慣行の秋播栽培と同量から25%増の窒素成分で8∿10g/m^2が妥当である.
- 日本作物学会の論文
- 2005-03-05
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