コンニャク種球茎貯蔵中の乾物重の推移と呼吸速度の諸特性

概要

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貯蔵中の種球茎重の低下を呼吸速度の面から明らかにするため, 種球茎重と呼吸速度の変化および呼吸速度に関係する要因について検討した. 貯蔵中の種球茎重の低下は2年生種球茎に比べて1年生種球茎 (生子) が大きかった. 測定開始時の乾物重当り呼吸速度は1年生種球茎が2年生種球茎に比べて大きく, 約1.5倍であったが, 12週後には両種球茎の呼吸速度の相違は小さくなった. 乾物重当り呼吸速度の品種間差異は1年生種球茎では認められたが, 2, 3年生の種球茎でその差異はなくなった. 呼吸速度は温度が高くなると指数関数的に大きくなり, 5〜15℃, 10〜20℃間の温度係数は約3.7で, 種球茎乾物重は高温によって著しく低下することがわかった. 呼吸速度は種球茎の乾物重当り表面積とは極めて高い正の相関関係が認められた (r=0.981***). このことから, 呼吸速度の1年生種球茎における品種間の相違や年生間の相違は, 種球茎乾物重当り表面積, いいかえると種球茎の大きさや形状の違いによることがわかった. これらの結果から, 1, 2年生種球茎を12週間貯蔵すると, 種球茎重の低下割合は10℃下でそれぞれ, 4.5, 3.4%, 15℃下ではそれぞれ, 8.4, 6.3%と推定された.
日本作物学会の論文
1999-09-05