食用カンナの物質生産に関する研究 : 第2報 生育に伴う乾物生産の推移
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本の温帯気候下における食用カンナの生産力の基礎を明らかにしようとして3年間にわたって4月下旬から11月上・中旬に栽培を行った. 植物体地上部の生長は7月中旬から8月下旬にかけての高温天候下で急激に促進され, 最終的には草高2.7〜2.8m, 主茎葉数20〜22, 茎数9〜19, 新根茎数29〜35に達した. 食用カンナは8月下旬から11月上旬にかけて2カ月余りも高い葉面積指数 (約9以上, 最大値は11.5〜12.7) を維持し, これが乾物生産に大きく寄与しているものと考えられた. 新たに形成された根茎への乾物の蓄積は8月中旬から始まり, 降霜のあった11月の最終サンプリングまで継続した. 収穫時の全乾物重は2578〜3968gm^<-2>あったが根茎乾物重は954〜1644gm^<-2>であったので, 収穫指数は0.37〜0.43と低かった. 個体群生長速度の平均は12.7〜19.3gm^<-2>d^<-1>であったが, 9月中旬から10月上旬に最大値35.3〜43.6gm^<-2>d^<-1>が得られた (3年の内2年で). 以上の結果に基づき, 本作物の潜在生産力に関する論議を行った.
- 日本作物学会の論文
- 1993-12-05
著者
関連論文
- <資料>筑波におけるネピアグラスの生育および収量に関する研究 : 平成12年度における生育および乾物生産力
- C_3, C_4型作物におけるガス交換のCO_2濃度依存性に及ぼす温度の影響
- イネの葉におけるガス交換のCO_2濃度依存性と温度, 光および飽差の影響
- データ処理機能を有するガス交換測定システムの開発及びイネ, キャッサバ葉を用いた 2, 3 の測定例
- 大気中二酸化炭素分圧の上昇とイネの生育及び収量
- 大気中二酸化炭素分圧の上昇とキャッサバの乾物生産
- 食用カンナの物質生産に関する研究 : 第3報 生育に伴う生産構造の推移
- 食用カンナの物質生産に関する研究 : 第2報 生育に伴う乾物生産の推移
- 24 食用カンナの生育に伴うデンプンの蓄積
- <原著論文>ネピアグラスにおける葉面積の簡単推定法
- 食用カンナの物質生産に関する研究 : 第4報 圃場条件下における葉の展開および生育に伴う個葉光合成速度の推移
- 食用カンナの生長と収量に及ぼす種イモ重の影響
- 56 食用カンナの物質生産に関する研究 : 生育に伴う個葉光合成速度の推移
- 食用カンナにおける葉面積の簡便な推定
- 水稲葉緑体の構造に及ぽす空気中二酸化炭素分圧およびリン栄養の影響
- 82 食用カンナの物質生産に関する研究 第3報 : 生育に伴なう生産構造の変化
- 36 食用カンナの物質生産に関する研究 : 第2報 生育に伴う乾物生産の推移
- 36 ゴマ種子の無機成分含量の変異とくに、カルシウムについて
- 15 穂上位置による米粒及び籾穀の変異とくに、大きさと無機成分含量について
- タイ国産水稲の収量に対する堆肥連用の効果
- 食用カンナの物質生産に関する研究 : 第1報 個葉のガス交換特性に及ぼす光前歴の影響
- トウモロコシの生育初期における維持呼吸
- 4 タイ国産水稲の収量および土性に及ぼす堆肥連用の効果
- シンポジウム 明日の作物学 : 新しい地平を求めて
- 栄養生長期のイネの生育におよぼす大気中CO_2分圧およびリン栄養の影響
- 47 水稲の生育に及ぼす空気中CO_2濃度ならびに培地のリン濃度の影響