作物の細胞組織培養に関する研究 : 第1報 イネの葉鞘プロトプラストの単離と培養に関する基礎的研究
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概要
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イネのプロトプラストの単離法と培養法を確立するために, 酵素液の組成, 培養の諸条件, 材料として用いる組織と品種の選択などを詳細に試験した. その結果, 播種6日後の幼植物の第1及び第2葉鞘が適当な材料であった. MS培養液の中に0.25%マセロザイムR-10, 1%セルラーゼ"オノヅカ" R10, 及び1%BSAを含む酵素液((pH 5.6)中で, 材料を4h静置処理をした. MS培養液中には標準MS培養液の無機塩類及びビタミン類, 1mg/l 2,4-D, 2.5mg/lカイネチン及び10g/lショ糖を含んでいる. 単離した葉鞘プロトプラストは1%BSAを含むMS培養液(0.42M)で培養された. 11品種から単離したすべてのプロトプラストが, 2週間以上にわたって細胞活性を保持した. 酵素液と培養液にそれぞれ1%BSAを添加することは, プロトプラストの活性持続に特に有効であった. 培養中にプロトプラスト内では液胞が発達するので, 単離直後のものに比べて, 5日培養後のプロトプラストは1.75倍にも大きくなる. また, 培養中にプロトプラスト内の葉緑体は脱分化を始め, クロロフィル含量と葉緑体の大きさが減少した. この培養液中ではプロトプラストの分裂増殖は観察されなかった.
- 1989-03-05
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