リョクトウの窒素栄養および子実生産に及ぼす栽植密度の影響
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概要
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リョクトウを3段階の栽植密度条件(8, 14および28本/m^2, 1本立て千鳥植え)下で圃場栽培し, その生育, 子実生産, 窒素吸収および共生窒素固定能に及ぼす栽植密度の影響を経時的に調査した. その結果, 下記のことが明らかとなった. 1. 個体当りの植物体乾物重は栽植密度の増加に伴って低下したが, 単位面積当りの植物体乾物重は上記とは逆に栽植密度の高いものほど大きかった. その主たる原は密植に伴う個体間の光競合による茎葉生産の抑制によるものと考えられた. 2. 単位面積当りの子実収量も上記と同様に栽植密度の増加に伴って高まったが, 個体当りの着莢数や子実重は逆に栽植密度の増加に伴って低下した. しかし, 一莢当りの子実重, 子実数および千粒重や子実粗タンパク含量等は枚植密度の差異によって大きく影響されなかった. 3. 栄養生長の最盛期における葉面積指数は栽植密度の高いものほど高く, それに対応して植物体地際における相対照度は低下していた. また, 植物体乾物重に対する子実重, 植物体全窒素量に対する子実窒素量の比率で示される子実生産効率や子実タンパク生産効率は栽植密度の増加に伴ってやや低下する傾向がみられた. 4. 植物体当りの根粒着生やアセチレン還元能で示される窒素固定能は栽植密度の増加に伴って低下したが, 単位面積当りの窒素固定能は栽植密度の増加に伴って顕著に高まった. しかし, 単位根粒重当りの窒素固定能は栽植密度の違いによって大きく影響されなかった. 5. これらの結果から密植(28本/m^2)と疎植(8本/m^2)の場合を比較すると, 栽植密度の影響は子実収量>植物生育量(地上部>地下部)>根粒着生, 窒素固定の順に強く反映すると考えられた.
- 日本作物学会の論文
- 1985-08-10
著者
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