稲属の感光性 : 第4報 苗令, 日長, 日数の組合せ実験
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概要
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低緯度地帯に分布する稲属各種の感光性を研究するため, 稲属10種より109系統を選び, それにすでによく感光性の調べられた数系統を比較系統として加え, 3組の実験を行なった. その方法と結果の概要は次の通りである. 第1実験では5種21系統を用い, 80日令および55日令より12時間55分, 12時間45分, 12時間35分明期下で25日間処埋を行なった. これらはすべて感光性を示した. 各処理区の反応の違いに基づいて7群に, また区間の有意差に基づいて16群にそれぞれ分類された. 第2実験でほ5種23系統を用い, 110日令および85日令より12時間45分, 12時間35分, 12時間25分明期下で25日間処理を行なった. このうち2系統のみ不感光性を示した. 各処埋区の反応の違いに基づいて9群に, また区間の有意差に基づいて18群にそれぞれ分類された. 第3実験では6種67系統を用い, 45日令より12時間35分, 12時間25分, 12時間15分明期下で35日間処理を行なった. このうち14系統が不感光性を示した. 各処理区の反応の違いに基づいて4群に, また区間の有意差に基づいて5群にそれぞれ分類された. 一般に日長時間が短い程, また苗令が進む程, 感光性は大きく示された. 長い日長下に置かれたものは感応するために多くの処理日数を要した. このことは日長時間の差による影響差を示すとともに, 日長時間が短い程影響力が大きいことを示唆している. 各処理区における促進日数の絶対値も感光性表示の一方法となる. この絶対値は日長時間が短い程, 苗令が若い程大きい傾向を示した. 苗令と日長差の影響力ほ系統により大きな違いがあるとともに, 両者および両者の組合せにおいて Threshold effect がみられた. 種特異性, 地域特異性が若干みられたが本実験の範囲ではまだ明確ではない.
- 日本作物学会の論文
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