水稲体に与えたIAA-^<14>Cの移動・分布に及ぼす重力の影響について (続報) : 茎の中位部における未代謝のIAA-^<14>Cの分布量

概要

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水稲の形態形成, とくに背地的節間伸長と発根の促進に及ぼす重力の影響を明らかにするために, 主軸を水平にして与えた放射性オーキシン(IAA-^<14>C)が茎の中位部に未代謝の状態で含まれている量を測定した. すなわち, 前報^<5)>で述べた茎の中位部のエタノール抽出液からぺーパークロマトグラフィーによつて未代謝のIAA-^<14>Cを分別し, 液体シンチレーションカウンタを用いてその放射能を計測した. 水平茎の上下両半側における未代謝IAA-^<14>C の分布比は3時間のソース供与終了時には 40:60, その3時間後には 32:68 となり, 時間が経過するにつれて茎の下側に分布するオーギシンが増加する傾向を認めた. しかし, 直立茎ではいずれの場合にも左右両半側にほぼ等量のIAA-^<14>Cが分布していた. ソース供与終了後3時間たつたときには, 茎中位部に含まれる未代謝IAA-^<14>Cの濃度を平均すると, 直立茎よりも水平茎が若干優り, 水平茎の中位部で背地的節間伸長と発根が促進される現象にこれら二つのことが関与しているのではないかと示唆された.
1972-03-28