侵害刺激下におけるラット前頭皮質ドーパミン代謝に対するプロポフォールの影響
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概要
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近年, 歯科治療に対する恐怖, 不安を軽減するために, ミダゾラムやプロポフォールを使用した静脈内鎮静法が用いられている.プロポフォールは, 作用時間が短く調節性に富み, 効果が確実であるため歯科治療時の静脈内鎮静法に応用されている.しかし, 侵害刺激下でプロポフォールを使用した場合の中枢神経に対する影響は明らかにされていない.今回著者は, 侵害刺激下での前頭皮膚ドーパミン(DA)代謝に対するプロポフォールの影響を観察するため, 脳微小透析法を用いてDA量を測定した.また, GABA_A受容体はプロポフォールの作用部位の一つと考えられているので, 拮抗薬であるビククリンを投与することでDA量がどのように変化するかを検討した.実験の結果, 電気刺激のみを与えた群では, 20分, 60分, 80分で有意にDA量が増加した.プロポフォール投与下に電気刺激を与えた群では, 20分, 40分, 60分, 80分で有意にDA量が増加した.プロポフォールおよびビククリン投与下に電気刺激を与えた群では, コントロール値と比較して全測定時間を通じて有意差は認められなかった.群間の比較では, プロポフォール投与下に電気刺激を与えた群では, 電気刺激を与えた群よりDA量がさらに増加していた.また, プロポフォールおよびビククリン投与下に電気刺激を与えた群は, プロポフォール投与下に電気刺激を与えた群と比べ有意にDA量が減少していた.以上の結果から, プロポフォールは, 侵害刺激下で前頭皮質DA代謝を亢進することがわかった.また, この作用がビククリンにより拮抗されたことから, プロポフォールの作用発現にはGABA_A受容体が関与をしていることが示唆された.
- 大阪歯科学会の論文
- 2000-09-25
著者
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