下顎骨骨欠損へのヒドロキシアパタイト補填時における微細血管構築について
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概要
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ウサギの下顎底部に硬組織用超音波メスを用いて, 下歯槽神経および血管束を保存して, 8×4×3mmの骨欠損を作製し, ヒドロキシアパタイト(HAP)顆粒(アパセラムG^[○!R])およびHAPブロック(アパセラムB^[○!R])をそれぞれ欠損部に補填し, HAP補填時の骨修復と血管との関係を骨・微細血管鋳型標本を作製し観察, 検討した. その結果, 両群とも術後1週で骨髄側に新生骨小柱の形成がみられ, 新生骨の形成部位および時期は同じであり, 材型による治癒過程に差はみられなかった. HAP顆粒補填群では術後1週で顆粒は新生洞様血管で取り囲まれ, 術後2週では顆粒周囲に血管網が形成されていた. その網目に新生骨が形成され, 術後4週では顆粒は新生骨で取り囲まれていた. しかし顆粒の間隙が50μm以下では術後4週においても線維組織が残存し, 骨形成が遅延していた. HAPブロック補填群では術後2週において気孔径が200μm以上の気孔で新生毛細血管網が形成され, その網目に新生育小柱が形成されていた. 術後3週において気孔径が100〜200μmの気孔では1本の新生血管の進入がみられ, 時期は遅延するが骨形成は期待できると考えられた. 血管の進展, 骨の新生の過程において顆粒の間隙およびブロックの気孔径が50μm以上で連続した気孔を有する形態が望ましいと思われた.
- 大阪歯科学会の論文
- 1995-12-25
著者
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