ノビエとイネの集団個体の大きさについての一考察
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概要
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作物のイネと雑草のノビエのもつ集団としての特徴を明らかにするために1)イネを作物としてノビエを雑草として取扱う2)ノビエを作物としてイネを雑草として取扱う、すなわち両者の立場を互いに逆にして試験を行ない茎数、乾重、稈長などについて個体調査をして若干の知見を得たので考察、報告する。ノビエはイネより大株となりその生育量を30〜40%低下させ、イネはノビエの生育量を10%低下させる。イネの茎数、乾重の個体差は密度によるよりもノビエによる影響が大きくてノビエの存在によって個体差が大となる。しかしノビエはイネによる影響よりもむしろ密度の影響が大きくて密度が大きくなれば個体差が大となる。またノビエ、イネともに乾重と茎数×全長との間には直線に近い関係が存在する。しかしイネでは同一環境条件下の個体間においては直線よりも放物線の関係となり、個体が大きくなるほど乾重の増加が小さくなる。そして乾重と茎数×全長の関係で表わされるものを体密度と考えればイネの各環境条件下の集団内では体密度は大きさ(茎数×全長)の増加に対して減少の傾向を示す。
- 日本作物学会の論文
- 1971-08-02
著者
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