葉身ケイ酸濃度といもち病の関係における品種間差異
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概要
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イネはケイ酸を多量に吸収する植物である.イネに吸収されたケイ酸は水稲体内では移動性が小さく,一度沈積すると転流しない.そのため,上位葉,すなわち若い葉のケイ酸濃度は低く,下位葉,すなわち古い葉の濃度は高いことが知られている.逆に移動性の大きい窒素は,上位葉で濃度が高く,下位葉で濃度が低い.水稲のケイ酸,窒素栄養はともにイネのいもち病抵抗性に影響を与えることが古くから知られ,上位葉の抵抗性が下位葉よりも弱いとされている.このように水稲体内でのケイ酸濃度は一様ではないと考えられ,いもち病との関係を見る場合には時期と葉位とを特定する必要があると考えられる.しかし,一般にケイ酸濃度は茎葉全体で論じられることが多く,個々の葉について詳細に検討されていない.そこで,本報では上位葉窒素,ケイ酸濃度の推移と葉位によるケイ酸濃度の差異を明らかにすること,そして,同一品種におけるケイ酸といもち病抵抗性の関係,および品種間におけるケイ酸濃度といもち病抵抗性の関係を上位葉の葉身に着目して検討した.
- 日本作物学会の論文
- 2004-12-27
著者
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