揮発性物質のためのモデル生態系の改良とカルバリルと p, p′-DDT への応用
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概要
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モデルエコシステムにおいて放射能の回収率をよくするために, 親化合物を含めた揮発性の代謝物およびそれらの分解によって生ずる^<14>CO_2を捕集するためのトラップを設けた密閉型モデルエコシステムを考案し, p-chlorophenyl-^<14>C(U)-標識DDTとnaphthol-1-標識カルバリルについて, モデルエコシステム内の挙動, 放射能の回収率を検討した.分解されやすいカルバリルの場合には, ^<14>CO_2として捕集された放射能は処理量の25%に達したが, 分解されにくいDDTでは^<14>CO_2として回収された放射能は0.5%に過ぎなかった.放射能の回収率はカルバリルで51.4%, DDTで62.1%であった.DDTに関する結果はMetcalfらの報告と同様の傾向を示し, 密閉型モデルエコシステムは親化合物や代謝産物が揮発性である場合に, 農薬の環境中における挙動を予測する手段として有用な装置である.
- 1976-11-20
著者
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風野 光
農技研
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風野 光
農林水産省農業技術研究所
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風野 光
National Institute of Agricultural Sciences
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柘植 茂晃
Agricultural Chemicals Inspection Station
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富澤 長一郎
National Institute of Agricultural Sciences
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柘植 茂晃
農林水産省農薬検査所:(現)農林水産省農蚕園芸局果樹花き課
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