ナスへの農薬散布におけるノズルの動きによる散布むら
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概要
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V字型整枝法で管理されたナス圃場(高さ : 2.2m)で, 生産者によってノズルの動きが波状の曲線を描く慣行法により農薬を散布し, 葉面での農薬の付着状況を調査した.また, ナス誘引面に対し通路の片側からだけ農薬を散布し, ノズルが波状(波長2m, 波高1m)に動く間で葉面における農薬付着の状況を調査した.葉裏で最も農薬付着量が多かったのは, ノズルの軌道上にあってノズルが上向きである部分(ロケーションA)であった.ノズルの軌道上にあってノズルが下向きである部分(ロケーションB)がそれに続いたが, ロケーションAの10分の1未満であった.ノズルの軌道から外れた他のロケーションの葉では, 検出限界以下になった.葉表では, ロケーションBの葉が最も多く農薬が付着した.ロケーションAおよび, ノズルが上向きから下向きの軌道に挾まれたロケーションDがそれに続いた.最も少なかったのは, ノズルが下向きから上向きの軌道に挾まれたロケーションCであった.葉裏に生息するミカンキイロアザミウマの数は, 農薬付着量に依存した.通路の両側から散布しても, ナス葉への農薬付着量および防除効果に差はなかった.色素水を散布した場合, 色素がノズルの軌道に沿って幅40cmに直接付着したが, それ以外の部分ではほとんど付着しなかった.これらの結果は, 葉がノズル軌道上にあるかないか, 同様にノズルが上向きあるいは下向きであるかによって, 散布むらが生じることを示した.
- 日本農薬学会の論文
- 2000-08-20
著者
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