感受性および kdr 抵抗性昆虫におけるα-トコフェロールとペルメトリンとの拮抗作用
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概要
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ピレスロイド殺虫剤は神経におけるナトリウムチャンネルのオープンタイムを延長することにより, その生理作用を示す.最近, α-トコフェロール(ビタミンE)は, ラット細胞を用いたパッチクランプ法により, ピレスロイドの毒性と拮抗することが報告された.そこでα-トコフェロールが, in vivoでイエバエやチャバネゴキブリに対するピレスロイド(ペルメトリン)の殺虫力を低下させることが出来るかどうか検討した.α-トコフェロール処理は, イエバエおよびチャバネゴキブリにおいて, ペルメトリンの殺虫力をそれぞれ1/4.3及び1/6.6に低下させた.α-トコフェロールは変異型kdrを持つ抵抗性チャバネゴキブリにおいても, ペルメトリンの殺虫力を1/6.2に低下させた.これらのことから, α-トコフェロールは正常型あるいはkdr型のいずれのナトリウムチャンネルを持つ昆虫に対しても, in vivoにおいてペルメトリンの拮抗剤として有効であることを示した.
- 1998-11-20
著者
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